トナミ運輸株式会社(荷主:株式会社クボタ)
KR流通センターはいわゆるマルチ型のテナント倉庫で、上層階部分に入居している。上層階部分での荷役となるため、ドライバーは受付のために毎回上層階まで上がる必要があった。紙の受付簿に記入し、すぐに呼ばれない場合は1階の待機場に戻り待機を行っていた。
トラック簿を導入しスマートフォンで遠隔受付ができる機能(スマホ受付)を採用したことで、1階の待機場から受付が可能となった。何度も上層階に上がる必要がなくなり、ドライバーの負荷軽減につなげることができた。
現場の運用にも大きな効果が出ている。これまではドライバーの呼び出しのために、フォークリフトの作業を中断し、紙の受付簿がある場所まで移動し電話呼び出しを行っていた。この作業にかかる時間は1台あたり1分程度。
トラック簿を導入したことで、フォークリフト作業者の手元で受付トラックの確認とシステム呼び出しが行えるようになり、作業が大幅に簡素化された。1日あたり約150台のトラックに対応する当センターでは、この作業だけでも単純計算で約2時間30分の削減効果があった。
加えて、ショートメールやLINE、アプリで呼び出しを行えるため、タイミングが合わずドライバーが電話に出てくれない、といった細かなロスも削減できた。
今ではドライバーの平均待機時間は、30分未満が全体の90%を超えており、非常に効率の良い運用が行われている。1日約150台のトラックをたった4つのバースで捌かなければならない当センターにとって、トラックの到着が可視化され、効率の良い呼出ができるようになった影響が大きい。
ドライバーの反対はなかったのか?どうやって定着させたのか?
バース管理がもたらすクボタグループの物流全体最適化
今回の事例はクボタを支える物流の中の一部の話であり、クボタ本来のビジョンはその先にある。外部倉庫を採用するメリットの裏には課題も存在する。例えば、工場側から各外部倉庫での作業状況やトラックの発着時間が把握できないことだ。全ての外部倉庫のバース管理を行うことができれば、工場側から全外部倉庫でのトラックの動きや作業状況を把握することができるため、部品調達から製品出荷まで全ての業務を可視化し、全体最適に向けた施策につなげることができる。
2024年を前に、着々とクボタの物流改革が走り始めている。
<インタビュアー>
株式会社モノフル セールスマネージャー 小窪 亘
機能についての詳細や導入方法など、まずはお気軽にお問い合わせください